ブランドの偽物が作って売られるのは、海外の発展途上国だけの話だけではありません。
とくにインターネット上には権利やアイデアの登用に対する意識の低く、罪の意識がない事業者も。
お客さまが「誤って」偽物を購入した際に、受け取った偽物の品質が低いと、意図せずブランドが傷つけられることも。
ただし「特許権」「実用新案権」「意匠権」「商標権」などの権利が出願、登録されていることを前提とします。
インターネットショッピングモール上で、そのような商品と事業者が判明したら、以下の方法で警告と違反申告を行いましょう。
まず最初に
権利を侵害している商品を見つけたら、商品ページのページキャプチャを保存します。また、SNS等でも権利侵害商品が販売されている写真があれば、コメントごと投稿をページキャプチャ保存します。ページキャプチャ内に、保存した「日時」が入ると後々の証拠として最適です。
権利違反を見つけたら、すぐに出品者にクレームをつけたいところですが、直接やり取りをすると感傷的になったり、法律に明るくない方は返答や対応に悩むことも。まずは店舗の母体であるショッピングモールの運営に違反申請をします。各社ともに、コンプライアンス遵守の観点で、権利侵害商品を厳しく取り締まっているため、証拠が揃えば真摯に対応してもらえます。
ショッピングモールの違反申請先
ショッピングモール | 違反申請URL |
---|---|
amazon.co.jp | https://www.amazon.co.jp/report/infringement |
楽天市場 | https://ichiba.faq.rakuten.net/form/rightsmanagement-post |
ヤフーショッピング ヤフオク |
https://business-ec.yahoo.co.jp/ppip/program_a.html ただし、申請は書類郵送が必要 |
Wowma! | https://wowma.jp/bep/m/applex1?type=ope_tizai |
Qoo10 | https://www.qoo10.jp/gmkt.inc/CS/NHelpSecurityMain.aspx |
楽天市場とamazon.co.jpは、上記のWEBページから違反申告が可能です。ヤフーショッピングのみ、郵送での違反申告となります。
ヤフーショッピングでは、違反内容の報告のほか、印鑑登録証明書、登記簿謄本等の用意が必要です。
定形のフォーマットは用意はされていないため、ご自身で用意するか、弊社オリジナルのテンプレート(EXCEL形式)もご利用いただけます。
EXCEL版とPDF版を保存していますが、入力のヒントを記載したエクセル版をおすすめします。
このデータはヤフーショッピングへの提出用として作成しましたが、使い回しが利く内容なので、他への申請にもご利用ください。
ヤフーショピングのケースだと、書類提出から約1ヶ月ほど対応に時間がかかります。EC事業者ならお気づきのとおり、ヤフーショッピングは昔からフェイクや権利侵害品だらけです。対策はされていますが、追いついていないものと思われます。とはいえ時間がかかりすぎるのは、権利侵害において、コンプライアンスの意識が低いと言わざるをえません。
ショッピングモールへの違反申請で対応されなかった場合は、出店者の所在住所まで「警告書」を送ります。書留などの配達記録が残るもので郵送します。
権利侵害が発生した場合でも、特許庁や警察が、行為をやめさせてくれるものではありません。権利侵害は、自身で見つけて警告し、それでもやめない場合は、自分で訴訟を起こしてやめさせる必要があります。
警告文の内容にも、差止請求と損害賠償請求があります。この一連の業務は弁理士や弁護士に依頼することで、時間と手間のショートカットも可能ですが、依頼には費用が発生しますので、最終的な自己判断が必要です。まずは各県に設置されている無料の法律相談所「法テラス」でも相談してみましょう。