現在、WordPressでWeb制作を行っているが、エンジニアがいれば開発の自由度が高く、柔軟な構築ができる点にメリットを感じている。一方で、ノーコードツール「STUDIO」も普及しており、非エンジニアでも使いやすいという評判がある。
ここでは、WordPressとSTUDIOの違いについて、技術者の視点も交えて比較する。
目次
- 概要比較
- 技術者目線での違い
- STUDIOの制限点
- STUDIOが優れている場面
- 結論:エンジニアがいるチームでは?
- 補足:ハイブリッド運用も可能
- STUDIOが向いているユーザー
- STUDIOと他ツールとの比較
- まとめ
概要比較
項目 | WordPress | STUDIO |
---|---|---|
タイプ | CMS(PHPベース、オープンソース) | ノーコード・Webデザインツール |
開発言語 | PHP / JS / HTML / CSS | 不要(GUI操作中心) |
サーバー管理 | 自社またはレンタルサーバー | 不要(STUDIO側でホスティング) |
カスタマイズ性 | 高(フルスクラッチ・プラグイン開発可) | 限定的(JS/PHP不可) |
対象ユーザー | 制作者・エンジニア | デザイナー・非エンジニア |
商用利用 | 制限なし | 有料プラン必須 |
技術者目線での違い
観点 | WordPress | STUDIO |
---|---|---|
ソースコードへのアクセス | 可能(全ファイル可視/編集可) | 不可(GUI操作のみ) |
データベース構造 | 自由に拡張可能(MySQL) | 非公開/編集不可 |
API連携 | REST API / GraphQLなど自由 | Webhook等、連携手段が限定 |
Git運用 | 可(CI/CD対応) | 不可(バージョン管理機能なし) |
マルチサイト・多言語 | 豊富なプラグイン対応 | 簡易的な実装のみ |
Eコマース対応 | WooCommerce等で柔軟 | 不可(外部リンクで対応) |
SEO自由度 | フルコントロール可能 | GUI上の設定に制限あり |
フォーム制御 | 任意実装可能 | 簡易的(条件分岐不可) |
STUDIOの制限点
- JavaScriptやPHPなどの独自処理が実装できない
- ルーティングや動的ページ生成に制約がある
- バージョン管理やGit対応がない
- 外部APIとの連携は限定的
- Webアプリケーションとしての構築には不向き
STUDIOが優れている場面
- デザインファーストでLPを構築したいとき
- 修正頻度が高く、即時反映が求められるとき
- コーディングリソースが確保できない場合
- 小規模なキャンペーンサイトをスピーディに公開したいとき
結論:エンジニアがいるチームでは?
- 独自処理やAPI連携が必要ならWordPressが適している
- 自由度の高い情報設計・運用にはWordPressが有利
- LPや静的ページならSTUDIOも効率的
- 軽微な修正を頻繁に行いたい場合もSTUDIOが便利
補足:ハイブリッド運用も可能
たとえば、WordPressでメインサイトを運用しながら、キャンペーンページはSTUDIOで制作・公開するというハイブリッドな使い分けも可能です。それぞれのツールの特性を活かし、効率よくサイト運用することができます。
STUDIOはどんな人に向いている?
STUDIOは、HTMLやCSSなどのコーディング知識がなくても、ビジュアルな操作だけでWebサイトを制作・公開できるノーコードツールです。ここでは、どのような人に向いているのか、また向いていないケースはどのようなものかを整理します。
STUDIOが向いているユーザー
ユーザータイプ | 理由 |
---|---|
グラフィックデザイナー | FigmaやIllustratorのような感覚で、デザインをWebに落とし込める。コード不要。 |
初心者Webデザイナー | テンプレートや直感的な操作により、HTML/CSSの知識がなくてもWeb制作が可能。 |
マーケティング担当者 | ランディングページやキャンペーンページを短期間で制作・改善できる。 |
スタートアップ・小規模事業者 | 外注せずに、初期費用を抑えて自社サイトを構築できる。 |
STUDIOと他ツールとの比較
向いているケース | 向いていない(苦手な)ケース |
---|---|
コーディングなしでデザイン重視のサイトを作りたい | JavaScriptなどの動的処理を使ったWebアプリを作りたい |
短期間でLPを公開・改善したい | SEOや構造化データなどを細かく制御したい |
ノーコードでWeb制作の第一歩を踏み出したい | 会員制サイト・予約・ログイン機能を実装したい |
テンプレートを使ってとにかくすぐ公開したい | 中〜大規模の情報サイトを効率的に運用したい |
まとめ
STUDIOは「コードを書けなくてもきれいなWebサイトを作りたい」「必要最低限の機能で足りる」という人に最適なツールです。とくにグラフィックデザインの延長として使いたい方、スピード重視でLPを量産したい方にとって非常にはおすすめです。
一方で、動的処理や拡張性、情報設計の柔軟性が必要な場合は、WordPressなどのCMSやWebフレームワークの方が適しています。